SEED STOCK MAGAZINE

ユッカの特徴や実生・植え替えの方法を徹底解説!

ユッカは乾燥地帯である中央アメリカなどが原産で、幹や葉の形が特徴的な観葉植物です。

苗から育てることもできますが、種子から実生することもできます。

今回は実生する際の手順や基本的なユッカの管理方法、植え替えの方法についてお伝えします。

ユッカの特徴

ユッカには以下のような特徴があります。

比較的育てやすい

ユッカはリュウゼツラン科イトラン属の植物で、中央アメリカなど寒暖差がある乾燥地帯が原産です。

そのため環境の変化にも対応してくれるので、お手入れもしやすく元気に育ってくれる植物です。

種類が豊富

ユッカは種類が豊富な観葉植物としても有名です。50〜60種類ほどあると言われており、樹高は種類によって1メートルほどの小柄なものから、10メートル程度にまでなる種類もあります。

勢い良く成長する姿になぞらえて「青年の木」と呼ばれることもあります。

その中でも日本に流通する一般的な種類はユッカ・ギガンティア、通称エレファンティペスです。

幹や葉の形が特徴的

エレファンティペスは象の足のような幹と剣のような葉を持っているという特徴があります。

幹はずっしりとしていながらまっすぐ上に向かって育ち、葉は厚みがあるもののサイズは大きくなりすぎずシャープな形ですので、限られたスペースでも置いておきやすい観葉植物です。

ユッカの種類

●エレファンティペス:象の足とも言われる太い幹を持ち、非常に大きく成長する
●ロストラータ:掌の樹の別名を持ち、幹が太く、葉が放射状に広がる
●グロリアナ;葉が細く密集して生える
●フィラメントーサ:葉の先端が糸状に裂ける
●アロイフォリア:笹のような葉を持ち、四方八方に細長く生える

ユッカを種から育てる手順

ユッカを実生することもできます。苗から購入することもできますが、実生するほうが初期費用が安く始めやすいです。

また苗に育った後により元気なものだけを残して確実に育てることもできます。

ユッカを種から育てる方法について詳しく説明します。

必要なもの

ユッカを種から育てる場合に必要なものは以下の通りです。
●ユッカの種
●種まき用の鉢
●種まき用の土
●底面吸水トレー
●種まきポット
●殺菌剤
●発芽促進剤
●スプレーボトル

これらの道具が必要な場面については以下で解説します。

種の準備

まずは種を準備しましょう。園芸用品店に足を運んで購入することもできますが、シードストックではさまざまな種類のユッカをオンラインで購入できます。

種の数も希望に合わせて10個から100個まで選べます。

種をまく前に、活力剤と殺菌剤を水で希釈した液体に数時間浸けておくことで発芽率が向上することもあります。

またカビ予防にも繋がりますので、下準備として行っておきましょう。浸け置く時は20〜25度前後の環境が理想です。

鉢と土の準備

種まき用の鉢は、しっかり根が伸びることができるよう深さがあるものを選びます。

熱湯をかけても溶けないような硬さがあって頑丈な鉢が良いです。

鉢の排水性を高め、根腐れの対策として鉢底ネット、鉢底石、無肥料土の順番に入れていきます。

土は通常の単用土か、種まき用の土のいずれかを利用します。これらを混ぜて自分で配合して使用することもできます。

一方で肥料が含まれていると藻やカビが発生するリスクが高まるので種から育てる場合にはおすすめできません。

種から出たばかりの根は土に潜る力があまりないため、表面の土は柔らかく、細かい土を使用するのがおすすめです。

種を蒔く

鉢に用土を詰めたら、まずは用土の微塵を取り除くため鉢底から出る水が透明に近い色になるまで水をかけます。

さらに用土の殺菌をします。用土内に病原菌や害虫がいると種から芽が出ず、成長不良を起こしてしまいます。

種を蒔く前に用土に熱湯をかけて消毒するのが一般的です。

用土がしっかり冷ましている間に、半日から1日程度、メネデールと殺菌剤を水で希釈し種子を浸しておきます。

そして準備ができたら種まきをします。種子同士が重ならないよう等間隔に置くことを意識しましょう。

さらに鉢を受け皿の中に置き、受け皿の中には種子を浸していた希釈液を入れて容器に蓋をして空中湿度を高めます。

ここまでが種まきの工程となります。

芽が出るまでの管理方法

種まきを終えたら、最低でも1日に1回は発芽状況やカビが生えていないかなどの確認をします。

早い種子の場合、1〜2日程度で発芽することもありますが、10日程度は様子を見る必要があります。

もしカビを発見したら、カビが生えている種子とその周りの土を取り除き、廃棄します。一度カビが生えてしまった種子は基本的には発芽しません。

芽が出たあとは

おおよその種子が発芽したら、蓋を外して管理をはじめます。

芽が出たあとは直射日光に気をつけながら鉢を明るい場所に移し、風通しの良い場所で育てるようにしましょう。

土の表面が完全に乾いたら水やりを行います。本葉が数枚出るまでは種まきをした鉢のままで育てます。

ユッカの植え替えのタイミングと植え替え方法

ユッカの芽が出たあと、多くの芽から本葉も出はじめたら植え替えを検討するタイミングです。植え替えの方法についてもお伝えします。

植え替えのタイミング

ユッカの植え替えに最も最適な季節は、生育期である春から秋に行います。

具体的には5〜9月ごろが良いですが、猛暑日など暑すぎる日は、植物に負担がかかるため避けるほうが良いです。

ただし現状の鉢が小さすぎて根が鉢底からはみ出てしまっている場合などは、季節に限らず早めの植え替えが必要になります。

猛暑日など熱すぎる日は日陰で行う、早朝や夕方など涼しい時間を選ぶなどの工夫が必要です。

植え替えの方法

植え替えをする際は、観葉植物用の培養土や肥料を土に混ぜ込みます。

根が固まっていたら、植え替える前に土と一緒にほぐしてから、一回り大きな鉢に移しましょう。

さらに植え替えたあとは液体肥料を希釈した水をたっぷりとあげ、明るい場所で様子を見ます。その後は通常と同じ方法で管理します。

ユッカの管理方法

苗が大きくなってきたら、気温や湿度、日光などに気をつけながら管理をしなければなりません。ユッカの管理方法についてお伝えします。

ユッカの保管場所

室内で育てる場合は日陰を避け、直射日光の当たらない明るい場所に置くようにしましょう。

光の調整が必要なときはレースカーテンを開け閉めするのがおすすめです。

春から秋までは、猛暑日以外は屋外で育てることもできます。日光をたっぷり浴びることでしっかりと成長します。

冬から春にかけては室内の暖かい場所で育てましょう。しかし暖房の直接風が当たると、極度な乾燥などから枯れてしまう可能性がありますので注意してください。

水やりのタイミング

表面の土が乾いていることを確認したら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。

土の状態は実際に指で触って確認することもできますが、割り箸など棒を鉢に挿しておくと、その割り箸を抜いて確認することで、湿っているか乾燥しているかを判断できます。

水の与えすぎ、乾燥しすぎを防ぐことが大切です。

肥料の与え方やタイミング

春から秋の生育期には、ハイポネックスなどの液体肥料を1週間から10日に1回のペースで与えましょう。

液体肥料は即効性があり、土にもよく吸収されます。

初心者の方や、極力手間を省きたいという人は肥料効果が安定して1ヶ月ほど持続する緩効性肥料を利用するのも良いでしょう。

休眠期にあたる冬は肥料を与える必要はありません。

ユッカの越冬方法

ユッカは観葉植物の中でも耐寒性がある種類です。

比較的暖かい地域であれば、冬でも屋外で育てることが可能ですが、最低気温が5度以下になる日は屋内に取り込んでください。

屋内では暖房の直接風を避け、5度以上を心がけましょう。冬は鉢の土が完全に乾いてから水やりを行い、肥料を与える必要はありません。

ただし1日中暖房を付けていて温かい部屋で育てる場合は生育を続けますので、その場合は水やりや肥料も生育期と同じ管理方法にします。

ユッカを育てる際の注意点

ユッカは気温や湿度、水やり、日光など基本的なことに気をつけて管理すれば育てやすい観葉植物です。

しかし稀に葉に害虫が発生することもあります。葉の元気がなくなってきたら、葉の裏や根本を確認して虫がついていないか確認しましょう。

黒い斑点のようなものが見えたら、害虫が付着している可能性が高いです。

放置すると確実に被害が拡大してしまうので見つけたら殺虫剤を使って駆除し、その後再び付着しないように防虫剤を使いましょう。

まとめ

今回はユッカの特徴や実生する場合の方法、管理方法についてお伝えしました。

●種を購入して実生もできる
●寒さにも強く、比較的育てやすい種類
●害虫の付着には注意が必要

というポイントを押さえて管理方法の基本を守りながら、元気で丈夫なユッカを育てましょう。

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