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多肉&観葉植物が好きで、約400鉢育てています。
さまざまな失敗をし、植物を枯らしたことは数知れず…。
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育てやすい多肉植物

植物を育ててみたいけど、枯らしてしまうかもしれない…。 毎日忙しいから、きちんとお世話できるか不安…
そう思っているあなたにこそ、「アガベ」をおすすめします!
メキシコの乾燥地帯で育つアガベは、水やりの手間が少なく、むしろ「放置気味」な環境を得意とする植物です。 多少の水やりを忘れてもすぐに枯れることはなく、ゆっくりと成長し、限られたスペースでも長く楽しめる植物です。 この記事では、そんな初心者にもやさしいアガベの魅力と、失敗しない選び方、特におすすめの品種をご紹介します。
アガベは初心者でも育てやすい植物
乾燥に強く、水やりの手間が少ない
アガベはメキシコなどの乾燥地帯に自生し、葉や茎により多くの水分を蓄えられる多肉植物です。 根がない状態でもすぐには枯れないため、水やりを多少忘れても、水分不足で調子を崩すことは少ないです。 かえって、お世話のしすぎ(水のやりすぎ)は根腐れの原因となるため、放置気味に育てた方が調子がよいことがあります。
暑さ・寒さに強い
アガベは暑さや寒さに強い品種が多く、一年を通して屋外でも育てやすい植物です。 氷点下まで下がる地域や霜には注意が必要ですが、他の植物と比べると、季節の変化に順応しやすい植物と言えるでしょう。 夏の強い日差しにも強いため、乾燥地帯が原産の植物でお庭をデザインする「ドライガーデン」に用いられることが多いです。
ゆっくりとした成長速度
アガベは、ゆっくりとしたペースで成長します。 短期間で急激に大きくなり、置き場所に困ることは少ないため、限られたスペースでも長く楽しめます。 鉢植えでも育てやすい植物ですが、中には直径2~3メートルまで成長する品種もいるため、省スペースで楽しみたい場合は、品種を選びましょう。
アガベを選ぶときの4つの『ポイント』
アガベの品種数は、300種類以上と言われています。 ここでは、どのアガベが自分に合っているのか、選び方のポイントを4つご紹介します。
好みの見た目をしているか
斑(白や黄)が入っているか、葉幅の広さや鋸歯(トゲ)の多さなど、品種ごとにさまざまな見た目をしているのがアガベの特徴です。 好みの見た目のアガベを選ぶことで、永く付き合いやすくなり、愛着がわきやすくなります。 子株には特徴があらわれにくいことが多いですが、そのような株を入手する場合も、成長した将来のすがたを確認してから、入手すると安心です。
流通量と価格帯(リーズナブルなものがおすすめ)
一般的に流通量が多く、リーズナブルな価格で入手できる品種には、以下のような特徴があります。
- 成長が早い
- カンタンに増やせる
- 環境の変化に強い など
上記の特徴をもつアガベは、丈夫で育てやすいため、初心者にもおすすめです。
耐寒性(寒さに強いかどうか)
アガベは、暑い季節によく成長する‟夏型”の植物のため、暑さに強い傾向があります。 比較的寒さに強い品種が多いものの、マイナス20℃ほどまで耐えられる品種がいれば、5℃程度で傷む品種もあり、耐寒性にはバラつきがあります。
暖かい地域で育てる場合は、寒さ対策も少なくて済みますが、東北以北の地域では寒さに強い品種を選ぶのが無難です。 最近は、植物育成用のLEDライトなどのガーデニング用品が充実しているため、寒さに敏感な品種を育てる場合は室内育成を検討してもよいでしょう。
サイズ感(育成場所の大きさを考慮)
直径が数十センチとコンパクトに収まる品種から、2~3メートルと迫力ある大きさに成長する品種まで、大きく成熟したときのサイズ感はさまざまです。 まずは、育成場所の大きさを確認し、そのスペースで育てられる品種を選ぶのがおすすめです。
- 庭→ドライガーデンに向いた品種
- 十分なスペースがあるなら、大型種も育てられる
- ベランダや室内→鉢植えでも元気に育ちやすい品種
- 小型~中型種が中心になる
初心者におすすめのアガベ8選
パリー(吉祥天:Agave parryi)
「パリー」が展開する灰青色の葉は、多くの鉢との相性がよく、アガベの中でも特に人気が高い品種のひとつです。 特に「パリー・トランカータ」は、葉幅が広く、丸みのある姿で人気があります。 大きく成熟した株でも、直径はおよそ1メートル程度と、アガベの中では比較的コンパクトに収まる品種です。 寒さに強く、自宅で育てている株は真冬に雪が積もっていましたが、これといったダメージを負いませんでした。 乾燥にも強いため、アガベの中でも、特に育てやすい品種と言えるでしょう。

ポタトラム(Agave potatorum)
「ポタトラム」は、大きな株でも直径は1メートル未満で、小型の品種です。 成長速度はとても早く、鉢植えでもグングン育つため、アガベの生育面について多くのことを教えてくれます。 人気のある「吉祥冠(錦)」や「スーパークラウン」などは、ポタトラムから生み出された園芸品種です。 いずれの品種も肉厚の葉がうつくしく、アガベ愛好家にとって、なくてはならないのが「ポタトラム」です。

チタノタ・オテロイ(Agave titanota / Agave oteroi)
「チタノタ」と「オテロイ」は、かつては同種でしたが、2019年に別種として区別されました。 ただし現在でも、日本では「オテロイ」が「チタノタ」として出回っていることは少なくありません。 共通した点が多いため、この記事では一緒にご紹介します。
葉の先端や縁に付けるワイルドな鋸歯と力強いフォルムが、特徴的な人気品種です。 圧倒的な人気を誇り、アガベの人気をけん引しています。 耐寒温度は5℃ほどなので、厳しい寒さに当てるのはおすすめできません。 成長速度は早く子株をよく吹くため、胴切りや縦割りなどを行うことで、どんどん増やせるアガベです。 作家鉢と一緒に飾ることで、そのワイルドな魅力にますます惹きつけられるでしょう。

笹の雪(ビクトリア レジーナエ:Agave victoriae-reginae)
‟ペンキ”と呼ばれる白い模様で、葉を色付けるアガベです。 その名のとおり、まるで雪が積もったようにうつくしい見た目は、他に類を見ないアガベと言えるでしょう。 気難しいと言われることもありますが、寒さに強く、全体的に見れば育てやすいアガベです。 アガベの中でも成長は遅いため、じっくりと育てていくタイプの品種です。

ホリダ(Agave horrida)
「ホリダ」は、鋭くてワイルドな鋸歯が葉全体を覆う、非常に迫力のあるアガベです。 少し上級者向けの品種に思われますが、強い光さえ確保していれば徒長もしにくく、アガベの「強さ」や「迫力」を存分に楽しみたい方におすすめです。
子株は吹きにくいため、「ホリダ」を増やしたいときは、胴切りや縦割りなどを行いましょう。

イシスメンシス(Agave isthmensis)
小型でまとまりのある株姿がうつくしく、アガベ愛好家から高い人気を集めています。 特に青緑色の葉と、白い縁取りが織りなすコントラストが魅力的です。 葉に‟トリコーム”と呼ばれる白い粉が付きやすく、葉がこすれてできる「ウォーターマーク」がハッキリとあらわれるのも、本種の特徴です。 「イシスメンシス」を取り入れることで、スタイリッシュな雰囲気を演出できます。

アテナータ(Agave attenuata)
アガベの多くは地面付近に葉を展開しますが、「アテナータ」は幹立ちするため、茎がよく見えるアガベです。 アガベの多くは鋭い鋸歯をもちますが、アテナータは鋸歯がほとんどなく、葉は丸みを帯びています。 葉先は尖っているものの、他の品種に比べると触れてもケガにつながるリスクは低いため、小さなお子さんやペットがいるご家庭にもおすすめです。 やわらかい印象で、周囲の雰囲気に合わせやすいでしょう。
アメリカーナ(Agave americana)
「アメリカーナ」は、アガベの中でも特に大きく育つため、スペースに余裕がある方におすすめの品種です。 最終的には2メートル以上も成長するダイナミックな姿は、ある程度広い庭などでの観賞に向いています。
斑(ふ)の入った品種は、葉に白や黄色のストライプ模様が入り、より一層華やかな印象を与えます。 丈夫でたくましく育つので、成長する姿をじっくり楽しめます。
アガベを元気に育てるポイント
アガベを元気に育てるポイントは、以下のとおりです。
初めての方が気をつける3つのポイント!
- 日当たり:基本的には、なるべく多く直射日光に当てる
- ただし真夏は日差しが強すぎるため、株の様子をよく観察しながら、必要に応じて遮光する
- 水:春から秋までの成長期に与える
- 秋から春までは休眠期になり、水を吸い上げなくなるため、必要最小限にする
- 肥料:春から秋までの成長期に少量を与える
- 休眠期には与えない
詳しくは以下の記事の「アガベの管理方法」で、解説しています。 ぜひ、あわせてお読みください。
まとめ
アガベの世界は奥深く、特に人気が高い「チタノタ(オテロイ)」は、高価になることもあります。 しかしアガベは繁殖力が強く、価格は落ち着く傾向があり、リーズナブルな価格で手に入る品種も豊富です。
高価な株を入手するのもよいですが、まずは手ごろな価格で入手できる株や、タネから育ててみることで、お財布にやさしいアガベライフを楽しめるでしょう。 育てれば育てるほど、アガベの奥深い魅力に惹き込まれていくことでしょう。