SEED STOCK MAGAZINE

コミフォラの特徴や実生・植え替えの方法を徹底解説!

コミフォラはアフリカや中東に分布する観葉植物で、樹脂から香水の原料が取れることでも知られており、1本の太い枝から華奢な枝と葉を出します。

乾燥した荒れ地などに自生しますが、成長は遅いためゆったりと育てたい人に向いています。

今回は実生する際の手順や基本的なコミフォラの管理方法、植え替えの方法についてお伝えします。

コミフォラの特徴

コミフォラの樹脂からは香水の原料や没薬(もつやく)が取れると言われています。没薬とは鎮静剤などに使われるものです。

成長が遅い灌木で盆栽を思わせる形をしています。

樹液を出す

観葉植物のなかでも太い幹を持ち、幹や枝に傷がつくと独特の香りを持つ樹液を出します。この樹液が香水の原料や薬物に使われます。

葉をちぎったり枝を剪定することでも、同じような香りがします。

カンラン科の植物の中でも種類が多い

コミフォラはカンラン科の観葉植物ですが、約500種類あるカンラン科の植物のなかでもコミフォラ属は最も種類が多く、その数200〜300種類にのぼります。

種類によって没薬や乳香が採取され、いずれもお香や薬の原材料になります。

成長が遅いが大きくなる

コミフォラは非常に成長が遅い観葉植物のひとつです。

数年をかけてゆっくりと、コミフォラの一般的な株の高さである5〜6mに成長します。

また10m程度の大きな幹を持つまでに成長する種類もあります。

コミフォラの種類

●カタフ:特徴的な塊根を持ち、樹皮を剥がすことで美しい文様を鑑賞できます
●アフリカナ:幹が太く、枝が複雑に絡み合います
●ミルラ:乳香の原料となる樹液を出す種類です
●モンストローサ:幹が不規則に肥大化するのが特徴で、ひとつしかない奇形を楽しみます
●クラウセリアナ:ナミビア原産でコミフォラの中では小型、葉が棒のように細いです

コミフォラを種から育てる手順

コミフォラを実生することもできます。苗から購入することもできますが、実生するほうが初期費用が安く始めやすいです。

また苗に育った後により元気なものだけを残して確実に育てることもできます。

コミフォラを種から育てる方法について詳しく説明します。

必要なもの

●コミフォラの種
●鉢
●鉢底ネット
●鉢底石
●肥料の混ざっていない土
●活力剤/殺菌剤
●熱湯

種の準備

コミフォラにはたくさんの種類がありますので、まずはどの種類を育てたいか決めて購入しましょう。

園芸用品店など実店舗で購入することもできますが、シードストックではオンラインで購入が可能です。種の数も希望に合わせて10個から100個まで選べます。

種をまく前に、活力剤と殺菌剤を水で希釈した液体に数時間浸けておくことで発芽率が向上することがあります。

またカビ予防にも繋がりますので、下準備として行っておきましょう。浸け置く時は20〜25度前後の環境が理想です。

鉢と土の準備

種まき用の鉢は、しっかり根が伸びることができるよう深さがあるものを選びます。

熱湯をかけても溶けないような硬さがあって頑丈な鉢が良いです。鉢の排水性を高め、根腐れの対策として鉢底ネット、鉢底石、無肥料土の順番に入れていきます。

土は通常の単用土か、種まき用の土のいずれかを利用します。これらを混ぜて自分で配合して使用することもできます。

一方で肥料が含まれていると藻やカビが発生するリスクが高まるので種から育てる場合にはおすすめできません。

種から出たばかりの根は土に潜る力があまりないため、表面の土は柔らかく、細かい土を使用するのがおすすめです。

種を蒔く

鉢や土の準備ができたらいよいよ種まきです。

鉢に用土を詰めたら、まずは用土の微塵を取り除くため鉢底から出る水が透明に近い色になるまで水をかけます。

さらに用土の殺菌が必要です。用土内に病原菌や害虫がいると種から芽が出ず、成長不良を起こしてしまいます。

種を蒔く前に用土に熱湯をかけて消毒するのが一般的です。

種子同士が重ならないよう1cmほどあけて等間隔に置くことを意識しましょう。

さらに鉢を受け皿の中に置き、受け皿の中には種子を浸していた希釈液を入れて容器に蓋をして空中湿度を高めます。

ここまでが種まきの工程となります。

芽が出るまでの管理方法

種をまいた鉢は直射日光の当たらない明るい場所に置き、気温は25〜30度を意識しましょう。

発芽までは湿度が高い方が発芽しやすいので、土が乾く前に霧吹きで水をあげて常に湿気がある状態にします。

早い種子は数週間で発芽することもありますが、成長が遅い品種でもあることから発芽まで数ヶ月かかることもありますので、気長に待ちましょう。

芽が出たあとは

芽が出たあとは明るい風通しの良い場所で管理して育てましょう。

5〜10月ごろが生育期にあたりますが、種類によってはこの期間に落葉したり、夏前まで葉が出ないものもあります。

成長の様子に合わせて水やりをする必要があります。

成長が見られる場合には、土の表面が乾いたら鉢底から水が出てくるようにたっぷりと水やりをします。

しかし落葉や葉が出ないなど成長が止まっている状況が見られたら水やりの頻度は落とし、土が完全に乾き切るまで待ちましょう。

成長が見られる時には直射日光をしっかりと当てた方が育ってくれます。日差しに強い植物ですが、近年の日本の夏は酷暑が多く、日光が強すぎる場合や暑すぎる場合には調整をしてください。

暑さにも強いため40度程度までなら耐えることができる観葉植物です。冬は最低でも10度前後に保つようにしましょう。

コミフォラの植え替えのタイミングと植え替え方法

コミフォラは成長に合わせて、より根が伸びやすいよう植え替えが必要になります。

ここではコミフォラの植え替えのタイミングと植え替え方法をお伝えします。

植え替えのタイミング

植え替えは生育期のなかでも3月頃から5月までには終えるようにします。新芽が出そうな様子が見られたら適切なタイミングです。

気温が高くなる夏前に植え替えをすることで、気温上昇にともなって成長が促進されます。

植え替えが遅れてしまい、猛暑日など夏の暑い日に行う場合は日陰を選ぶなどコミフォラにとって負担のかからない環境を選んで実施します。

とは言っても真夏の植替えはコミフォラに負担がかかるので、可能であれば気温が下がってきてから植替えしましょう。

1年に1回程度の植え替えが理想ですので、発芽してから1年以内の適切な時期に植え替えを行ってください。

植え替えの方法

鉢からコミフォラを取り出し、根についた古い土は落として新しい鉢に移し替えます。無理に根を切ったり崩したりする必要はありません。

新しい鉢に肥料を混ぜた新しい土を入れ、しっかりと鉢の中心にコミフォラを移し替えます。

植え替えが終わったら鉢底まで水が出るようたっぷりと水をあげ、直射日光の当たらない明るい場所に置きながら様子を見ましょう。

コミフォラの管理方法

コミフォラは暑さや乾燥に強い観葉植物ですが、水やりや気温湿度の管理、日光の調整は欠かせません。ここではコミフォラの管理方法を詳しく解説します。

コミフォラの保管場所

コミフォラは日光を好むので夏の酷暑を除いて屋外の方が元気に育ちます。

40度に迫るような暑い日や強い直射日光を感じる日は、屋外から室内の明るい場所に移しましょう。

冬は屋外の寒さに耐えられないこともありますので、室内に移動させ日光の当たる場所で保管します。最低でも10度前後は保つようにします。

水やりのタイミング

コミフォラは乾燥に強い植物ですので、生育期も表面の土が完全に乾いた状態を確認してから、鉢底まで水が通るようにたっぷりと水やりをします。

休眠期は鉢全体の土が乾燥してから水やりを行い、全体的に水やりの回数を減らします。

肥料の与え方やタイミング

水はけの良い土を利用していると、肥料がなくてもしっかりと育ってくれるほど強い植物ですが、生育期には液体肥料を混ぜて月に1回程度与えるとより元気に育ってくれます。

コミフォラの越冬方法

コミフォラは暑さには強い観葉植物ですが、寒さにはそれほど強くありません。

常に10度前後の気温が保てるように室内の温度を調整しながら育てます。最低でも5度以上をキープし、霜や湿気に触れるような窓際は避ける方が良いです。

コミフォラを育てる際の注意点

コミフォラは高温や乾燥には強く丈夫に育ってくれますが、低温と湿気にはそれほど強くありません。

最低でも5度を切らないような環境で、湿度の高い場所を避けて保管するのが大切です。

直射日光にも比較的強い植物ですが、近年の日本の夏のように酷暑が続く場合など、強すぎる直射日光には注意が必要です。

屋外で育てている場合には置き場所を調整したり、室内で育てる場合はレースカーテンなどで調光します。

病害虫にも強い観葉植物ですが、風通しの悪い環境になるとカイガラムシが付くことがあります。風通し良く、適切な日光が当たる置き場所を選んでください。

まとめ

今回はコミフォラの実生の方法や植え替えの方法、基本的な管理方法についてお伝えしました。

高温や乾燥に強く日本の暑い夏でも元気に成長してくれる観葉植物ですが、低温や湿度にはあまり耐性がありません。

またゆっくりと成長をする種類ですので、気長に数年かけて成長を楽しみたい方に向いています。

育て方をしっかりと学んでコミフォラとともにゆったりとした時間が過ごせると良いですね。

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