多くの観葉植物は寒さに弱いため、冬を乗り越えるためには正しい越冬方法でケアをする必要があります。
しかし、具体的にどのようなケアをすれば良いのかわからない方も多いでしょう。
この記事では、観葉植物の越冬方法を、温度管理・水やり・日光管理・肥料・病害虫対策それぞれで解説しています。
観葉植物の越冬方法基本知識
観葉植物の越冬方法を知る前に、冬に観葉植物が弱ってしまう原因と越冬の準備方法、越冬中の管理方法を知っておきましょう。
それぞれ、詳しく解説します。
冬に観葉植物が弱ってしまう原因
冬に観葉植物が弱る原因は、大半の観葉植物が熱帯〜亜熱帯で暖かい気温を好むからです。
気温が低く日照時間も少ない冬場は観葉植物にとって過ごしにくい季節で、生長が緩やかになってしまいます。
生長が緩やかになったことで、観葉植物が弱ったように感じるのでしょう。
しかし、生長が緩やかになることは観葉植物の自衛手段です。
適切な越冬方法を行えば、春には元気になるため安心してください。
越冬の準備
観葉植物を越冬させる際は、お持ちの観葉植物に適した越冬方法を事前に調べておく必要があります。
主に調べておくべき点は、次のとおりです。
- 耐寒温度
- 水やりの有無
- 日当たり
観葉植物の種類により、適した日当たりは異なります。
越冬時は観葉植物を日当たりの良い場所で育てるケースが一般的ですが、日陰の方が育ちやすい種類もあるため、注意が必要です。
ただし、日陰の方が適している種類でも、暗い日陰では育てられないケースが多い傾向にあります。
観葉植物を育てる上での日陰とは、明かりが蛍光灯または白熱球のみ、レースカーテン越しに直射日光が当たる明るい日陰などです。
お持ちの観葉植物はどのケースに当てはまるのか、必ず確認しておきましょう。
越冬中の管理
越冬中に観葉植物を管理する際は、温度・水やり・日光・病害虫対策を適切に行いましょう。
肥料は基本的に不要ですが、必要に応じて与えても良いケースもあります。
いずれにせよ、観葉植物の状態をこまめに確認しながら行いましょう。
ここからは、観葉植物の越冬方法を詳しく解説します。
【越冬方法①】温度管理
観葉植物を越冬させる際は、お持ちの観葉植物の耐寒温度に合わせ、温度管理を適切に行いましょう。
ただし、観葉植物は基本的に10℃以下の環境に弱いため、最低気温を10℃以上に保つことが大切です。
冬は日中と朝晩の寒暖差が激しいですが、寒暖差は観葉植物を枯らせてしまう恐れがあります。
観葉植物を越冬させる際は、時間帯による気温差をなくすよう心がけましょう。
外で観葉植物を育てている場合は、気温が下がる時間帯は寒冷紗や防寒シートで保温する方法がおすすめです。
保温しても葉や茎が垂れてしまう場合は、室内に入れて越冬させる必要があります。
室内で観葉植物を育てている場合は、エアコンやヒーターを活用しましょう。
ただし、エアコンやヒーターの風が直接当たると観葉植物が乾燥し、枯れる恐れがあるため注意が必要です。
室内で観葉植物を育てている場合も、エアコンを切る時間帯がある場合は防寒シートによる保温をおすすめします。
観葉植物を置く場所は、適度に風通しが良い場所を選びましょう。
適度な風は観葉植物の生長を促してくれます。
【越冬方法②】 水やり
観葉植物の越冬中は、夏場よりも控えめに水やりを行います。
土の表面が完全に乾いたら、2〜4日ほどあけて水を与えましょう。
水やりの頻度は部屋の湿度や温度にもよりますが、2〜3週間に1回が一般的です。
与えた水は気温の低下に伴い冷たくなるため、気温が高い午前中のうちに水やりを済ませましょう。
水の温度は15〜20℃程度の常温で、水の量は鉢の受け皿に水がしみ出す程度で問題ありません。
受け皿に貯まった水はきちんと捨てましょう。
越冬中の観葉植物は、夏場よりも吸い上げられる水の量が少ないため、水のあげすぎは厳禁です。
吸収しきれなかった水分は鉢に残り、根腐れの原因になってしまう場合があります。
越冬中は葉の乾燥を防ぐために、葉の表面と裏側に葉水を行うことも大切です。
葉水の頻度は1日1回程度が目安で、午前中からお昼までに済ませておきましょう。
夕方になっても葉の水が乾いていない場合は、ティッシュで水を拭き取ってください。
【越冬方法③】日光管理
越冬中は観葉植物が光合成できるよう、日中は日当たりの良い場所に置きましょう。
ただし、直射日光にあたりすぎると葉焼けの原因になるため、注意が必要です。
観葉植物の葉焼けを防ぐためにも、レースカーテンなどで直射日光を遮りましょう。
夕方から夜間は気温が下がるため、窓際に観葉植物を置いたままにしないように注意してください。
部屋の日当たりが悪く日照不足の場合は、照明を活用しましょう。
普通の照明でも大丈夫ですが、ベストな照明は植物育成用ライトです。
【越冬方法③】肥料
観葉植物の越冬中は、基本的に肥料を与える必要はありません。
越冬中の観葉植物に肥料を与えすぎると栄養過多になり、枯れたり徒長が起こったりする恐れがあります。
徒長とは、茎や枝が必要以上に伸びてひょろっとした細い形になり、葉の間隔が長くなってしまうことです。
例外として、室内で栽培している場合や植え替え直後の場合は、薄めた液体肥料を与えても構いません。
越冬中の観葉植物に肥料を与える場合、頻度は2週間から1か月に1回ほどで、少量に留めましょう。
【越冬方法④】病害虫対策
越冬中の病害虫対策は、次の3つです。
- 風通しを良くする
- 葉の乾燥を防ぐ
- 薬剤の使用は必要最低限に留める
風通しを良くするためにも、日中は窓を開けて部屋を換気しましょう。
湿った土が乾かないと根腐れの原因にもなるため、水やり直後の換気がおすすめです。
部屋の換気ができない場合は、サーキュレーターを使い部屋の空気が流れるようにしましょう。
葉の乾燥を防ぐためには、こまめな葉水や加湿器で部屋の湿度を上げる方法が効果的です。
ただし、加湿器を使用する場合は観葉植物に与える水の量を少し減らし、水分過多にならないように注意してください。
薬剤に関しては、必要最低限の使用に留めましょう。
同じ薬剤を使い続けると、虫に少しずつ耐性ができてしまう恐れがあるからです。
なお、万が一病害虫が発生した場合も、初期段階なら霧吹きで対策できる場合もあります。
観葉植物の越冬方法でよくある質問
観葉植物の越冬方法に関する、次の疑問への回答をまとめました。
- 冬に観葉植物が枯れてしまった場合はどうすればよいですか?
- 冬に観葉植物が葉を落とした場合はどうすればよいですか?
- 冬に観葉植物に薬剤を散布しても良いですか?
- 冬に観葉植物を植え替えても大丈夫ですか?
自身の悩みに合う内容がある場合は、ぜひ参考にしてみてください。
Q. 冬に観葉植物が枯れてしまった場合はどうすればよいですか?
冬に観葉植物が枯れた場合、どの程度枯れているかにより対応が異なります。
葉の一部分だけが枯れている場合は、枯れて茶色になった葉をハサミで切りましょう。
葉の形に沿ってハサミをいれると、きれいに切れるためおすすめです。
葉全体が枯れている場合は、葉の付け根からハサミで切りましょう。
この際、土の上に落ちている枯れ葉もすべて取り除く必要があります。
観葉植物が全体的に枯れている場合、次に当てはまる場合は処分するしかありません。
- 枝が簡単に折れる
- 樹皮をひっかくと中が乾燥している
- 根から悪臭がしており、根が黒ずんでおり崩れやすい
Q. 冬に観葉植物が葉を落とした場合はどうすればよいですか?
冬に観葉植物が葉を落とした場合、根腐れや葉の乾燥が原因だと考えられるため、まずは原因を追求しましょう。
水のあげすぎは、観葉植物が根腐れする原因です。
水やりの頻度は適切か、根に異常がないか確認しましょう。
観葉植物の根に問題がない場合、葉の乾燥が原因だと考えられます。
エアコンやヒーターが直接あたる場所に観葉植物を置いていないか、確認しましょう。
観葉植物は、激しい気温差により葉を落とす場合もあります。
屋外から室内に観葉植物を移す際は、日当たりの良い暖かい場所に移すまでに10日ほどかけましょう。
上記のいずれにも当てはまらない場合、単に不要な葉を落としているだけの場合があります。
この場合、春になると新しい葉が出ることもあるため、春まで様子を見ましょう。
Q. 冬に観葉植物に薬剤を散布しても良いですか?
薬剤の散布は基本的に屋外で行うため、寒さの厳しい冬の薬剤散布はおすすめできません。
薬剤散布後2週間ほどは、観葉植物を屋外で管理する必要があるからです。
観葉植物に薬剤を散布したい場合は、寒くなる前に済ませておきましょう。
どうしても冬に薬剤を散布しないといけない場合は、室内で利用できる薬剤の使用をおすすめします。
Q. 冬に観葉植物を植え替えても大丈夫ですか?
冬に観葉植物を植え替えることは、おすすめできません。
観葉植物は冬が苦手なため、寒さの厳しい冬に植え替えを行うと枯れる恐れがあります。
観葉植物の植え替えに適した時期は、気温が高くなる5〜9月です。
特別な事情がない限り、植え替えに適した時期になるまで待ちましょう。
まとめ
観葉植物の越冬方法は、適切な温度管理・水やり・日光管理と病害虫対策です。
越冬中は基本的に肥料を与える必要はありませんが、室内栽培や植え替え直後の場合は、必要に応じて薄めた液体肥料を与えましょう。
観葉植物の種類により、耐寒温度や越冬中の水やりの有無や適した日当たりは異なります。
越冬前にお持ちの観葉植物に適した越冬方法を調べておき、最適な方法で管理しましょう。