SEED STOCK MAGAZINE

初心者でも育てやすい『塊根植物』おすすめ品種9選

塊根植物で暮らしを彩る

個性的なフォルムで、高い人気を集めている「塊根植物」。 別名を「コーデックス」と言い、水を蓄えるために根や茎を肥大させているため、乾燥に強い特徴をもっています。 水やりの手間が少なく、日当たりのよい場所であれば、初心者でも育てやすい品種が多いです。 しかし中には、やや気むずかしい塊根植物もいるため、特に最初のうちは丈夫な品種を選ぶことが重要です。 この記事では、初心者に特におすすめな塊根植物9選をご紹介します。 これから塊根植物を育てる方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。

『塊根植物』とは、根や茎が肥大した植物のこと

「塊根植物」とは、茎や根が肥大したユニークな植物で、「コーデックス(Caudex)」とも呼ばれます。 プックリと肥大した部分は、乾燥した環境で生きるために、水分を蓄えられるように進化したものです。

塊根植物には頻繁な水やりの必要がなく、土が完全に乾いてからたっぷり与える、というメリハリのある管理が基本。 水やりのコツを覚えるまで、戸惑うこともあるかもしれませんが、育てやすい品種が多いのも特徴のひとつです。

丈夫な品種を選ぶことでトラブルを減らせる

同じ塊根植物でも、さまざまな品種が存在し、それぞれの特徴は多岐にわたります。

  • 水が好きな品種
    • 毎日水やりしても根腐れを起こすリスクが低いものの、水やりを忘れると傷みやすい品種
  • 成長が遅い
    • ゆっくりと成長する品種が多い塊根植物の中でも、特に成長速度が遅い品種
  • すぐに花を咲かせる
    • 種子から育てても、3~4か月後には発芽する品種 など

塊根植物の中には「難物(なんぶつ)」と呼ばれ、日本では育てにくい品種も…。 特に初心者のうちは、丈夫で育てやすい品種から選ぶのが賢明です。

初心者におすすめの塊根植物9選

アデニウム・アラビカム(Adenium arabicum)

「アデニウム・アラビカム」は、肌の色が白っぽく、滑らかな質感をした塊根植物です。 成長速度は早く、春から夏にかけて、ピンクや赤、白などの美しい花を咲かせます。 乾燥にとても強いため、他の塊根植物よりもさらに水やりを少なくした方が、元気に育ちやすいです。

流通量が多いため、リーズナブルに入手しやすい点も「アデニウム・アラビカム」のうれしいポイントと言えるでしょう。

アデニウム・オベスム(Adenium obesum)

「アデニウム・オベスム」は、アラビカムよりも丸く、ズッシリとした塊根部に成長しやすいです。 アラビカムと同じく、美しい花を楽しめます。 「砂漠のバラ」は、アデニウム属全般に使われる別名ですが、特に「アデニウム・オベスム」のことを指すのが一般的。 水やりを少なくし、水はけのよい培養土を使うことで、調子を崩すリスクを下げられます。

フォッケア・エデュリス(Fockea edulis)

「フォッケア・エデュリス」は暑さや寒さに強く、成長速度も早いため、初心者におすすめの品種のひとつ。

ゴツゴツとした塊根部をもち、周囲に伸ばしたツルの所々には、小さな葉を展開します。 その姿から、通称「火星人」とも呼ばれる塊根植物です。 休眠期の冬は落葉しますが、あまり寒くならない地域では、休眠期も葉を落としません。

「フォッケア・エデュリス」は星形で、緑色の花を咲かせますが、鮮やかとは言えず控えめな印象を与える花です。 花を楽しむというよりも、そのユニークな塊根部を楽しむ植物と言えるでしょう。

アデニア・グラウカ(Adenia glauca)

「アデニア・グラウカ」は、「幻蝶かずら」の別名を持つアデニア属の仲間です。 丸い塊根から伸びるツルと、青みがかった葉がかわいらしい雰囲気を演出し、男女問わず高い人気を集めています。 塊根部を少し掘り出し、目立つように植え付けると、より魅力が増します。

株のシルエットや、体の色合いに個性があらわれやすいため、お気に入りの「アデニア・グラウカ」を探してみるのもおすすめです。 水分が不足すると葉が萎れてくるため、水のやりどきが分かりやすい点も、初心者におすすめできるポイントです。

パキポディウム・ラメレイ(Pachypodium lamerei)

「パキポディウム・ラメレイ(ラメリー)」は、サボテンに負けないくらい、たくさんのトゲを幹のいたるところに付けます。 成長速度が早く、暑さや水切れにも強いため、適切な環境で育てれば春から秋に調子を崩すことはほとんどありません。 原産地はマダガスカル。 ヤシ(パーム)のような見た目から、「マダガスカル・パーム」とも呼ばれることがあります。 大きく成熟すると高さ5~6メートルほどに達するため、大きく成長させたくない場合は、鉢をコンパクトに制限しましょう。

白くて清楚な花を咲かせますが、大きく成熟した株でないと開花しないため、一般家庭で開花シーンが見られることは滅多にありません。 塊根植物の中ではリーズナブルな価格で流通しているため、お迎えしやすい品種です。

パキポディウム・ゲアイ(Pachypodium geayi)

ラメレイと似ていますが、「パキポディウム・ゲアイ」は細身で、葉に白い毛が生えているのが特徴です。 成熟した株からは、樹木のようなダイナミックな印象を受けます。 性質もラメレイと似ており、冬越しさえ気を付ければ育てやすい品種なので、初心者の方にもおすすめです。 ただしラメレイもゲアイも、鋭いトゲを無数に付けているため注意しましょう。

パキポディウム・ビスピノーサム(Pachypodium bispinosum)

「パキポディウム・ビスピノーサム」は本来、地中で塊根部が形成されますが、園芸では地上に塊根部を出して楽しまれるのが一般的です。 特に大きく成熟した株は、かわいらしいフォルムをしていますが、枝には鋭いトゲを付けています。

枝葉はどんどん成長させるのに対し、塊根部が肥大する速度が遅いのが特徴的。 その分、育てがいがあり、じっくりと愛着を持って育てられます。 乾燥に強いのはもちろん、パキポディウム属の中ではめずらしく、寒さに強い特徴をもっているため、初心者でも育てやすい品種です。 ある程度の大きさに育った株は、そこまで流通量が多くないため、種子から育てる「実生(みしょう)」で一から育ててみても良いでしょう。

パキポディウム・サキュレンタム(Pachypodium succulentum)

「パキポディウム・サキュレンタム」は、ビスピノーサムと同じくツル性のパキポディウムで、見た目も似ています。 「パキポディウム・サキュレンタム」の方が葉幅が広く、花びらが外側に開くのが特徴です。 春から夏にかけて、白とピンクが混ざった花を咲かせます。 暑さや寒さに強いため、地域によっては、一年を通して屋外でも育てられる品種です。

ディオスコレア・エレファンティペス(Dioscorea elephantipes)

「亀甲竜(きっこうりゅう)」の和名で親しまれる塊根植物が、「ディオスコレア・エレファンティペス」です。 この記事でご紹介している品種の中では、唯一すずしい季節を好む“冬型”に分類されます。 冬型の塊根植物の中では、圧倒的に高い人気を誇り、育てやすさという点でも長けています。

和名のとおり、塊根の表面が亀の甲羅のようにひび割れる姿は、とてもユニークです。 種子の流通も多く、発芽してから短期間でもグングン成長するため、楽しみやすい品種です。 暑い季節は苦手なため、すずしい環境を確保できるのであれば、温度が低い場所で夏越しした方が良いでしょう。

塊根植物を元気に育てるポイント

育成環境を「自生地」に近づける

塊根植物を元気に育てるためには、育成環境を「自生地」に近づけることがポイント。 多くの塊根植物は、日差しが強く、乾燥した土壌で暮らしています。 日当たりの良い場所で管理し、水はけの良い用土を使うことで、自生地の環境を再現できます。

成長期と休眠期で育て方を変える

成長期にはたくさんの葉を展開する塊根植物ですが、休眠期には葉を落とし成長が停滞します。 水分や栄養分をよく吸い上げる成長期とは異なり、休眠期には水分などをほとんど必要としません。 成長期と休眠期は品種ごとに異なるため、それぞれの塊根植物にあわせた環境で育てることも重要なポイントです。

詳しくは、以下の記事でご紹介しているので、ご興味があればご確認ください。

seed stockさんの過去記事を拝見したところ、以下の記事に詳細が書かれていたので、内部リンクを貼ってください。 (もちろん他に良い記事があれば、そちらの記事でも構いません。)

【アデニアの特徴や実生・植え替えの方法を徹底解説!】 【パキポディウムの特徴や実生・植え替えの方法を徹底解説!】

まとめ

体内にたっぷりと水分を蓄えた塊根植物(コーデックス)は、そのユニークなフォルムが最大の魅力。 乾燥に強く、頻繁な水やりも必要としないため、忙しい方や植物のお世話に慣れていない初心者でも安心して育てられます。

この記事では、特に丈夫で初心者でも育てやすい、おすすめの塊根植物9選をご紹介しました。 塊根植物を元気に育てるには、日当たりの良い場所で管理し、成長期と休眠期で水やりを変えるなど、自生地の環境に近づけることが大切です。

ぜひ塊根植物のユニークな魅力を、日常に取り入れてみてはいかがでしょうか!?

オンラインショップへのリンクバナー

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です