観葉植物を育てていると生育や害虫の発生が気になった際は、観葉植物専用の薬剤の使用がおすすめです。
ただ、薬剤には様々な種類があり、観葉植物の種類や症状によって効果的な薬剤を選ぶ必要があります。
特に、初めて観葉植物を育てている方は、どんな薬剤を使用するかお悩みの方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、観葉植物に使用する薬剤の基礎知識を解説し、観葉植物に発生する代表的な症状や適した薬までご紹介します。
ぜひ参考にして、観葉植物との生活を楽しみましょう。
観葉植物に使用する薬剤の基礎知識
観葉植物に薬剤を使用する場合は、症状に合わせて適した薬剤を使用しましょう。ここでは、観葉植物に発生する代表的な症状と適した薬剤を解説します。
また、薬剤の使用はメリットだけでなく、デメリットの発生も気になるところ…。デメリットを最小限に抑えるために、薬剤を使用するタイミングも合わせてご紹介します。
観葉植物に発生する代表的な症状と適した薬剤
症状 |
適した薬剤 |
役割 |
病気の症状がある |
殺菌剤 |
病原菌を退治する
根や葉から吸収した有効成分が、病害虫から観葉植物を守る |
葉がくすんでいる |
葉面洗浄剤 |
葉のくすみを取り除き艶をだす |
虫が発生している |
殺虫剤 |
害虫を駆除する |
生育が悪い
葉の症状が気になる |
活力剤 |
生育を助け、病気・害虫に強い健康な株になる |
根が傷んでいる |
発根促進剤 |
根の成長を促し、根を強くする |
観葉植物に発生する代表的な症状を表でまとめました。
まず、観葉植物に起こりがちな病気の症状がある場合は、殺菌剤を使用します。殺菌剤は病原体を退治し、観葉植物が広範囲の病害虫に強くなるので病害虫予防にも効果的です。
次に、葉の症状や生育の悪さが気になる場合は、活力剤を使用しましょう。活力剤は、観葉植物の株を健康にする効果で葉を鮮やかにします。
葉のくすみが気になる場合は、リーフクリンなどの葉面洗浄剤の使用がおすすめです。
そして、観葉植物に虫が発生した場合は、殺虫剤を使用します。
観葉植物に発生するハダニやアブラムシが発生しやすく、見つけた場合は殺虫剤で対処すれば症状改善に期待大です。
最後に、根が痛んでいる場合は発根促進剤の使用が最適です。
発根促進剤には、根の成長を促し根を健康にする役割があります。特に、植え替え直後や寒い季節に使用すると、観葉植物の生育サポートに効果的です。
薬剤使用のメリット・デメリット
観葉植物の症状に合わせた薬剤使用は、症状の早期改善に効果的です。
また、観葉植物を強くする効果で害虫や病気に強くなり、観葉植物との生活を長く楽しむことができますよ。
ただ、薬剤が強すぎたり、スプレータイプの薬剤を使用したことで冷害を引き起こして観葉植物が枯れてしまう可能性も…
間違った薬剤の使用はこういったデメリットを引き起こす可能性があるので要注意です。
薬剤を使用するタイミング
病害虫による症状が出ているタイミングで薬剤を使用します。
病害虫による症状を予防したい場合は、殺菌剤の定期的な使用がおすすめです。
根や葉から吸収した殺菌剤の有効成分が、病害虫から観葉植物を守ります。
薬剤の選び方
活力剤や殺虫剤、殺菌剤には様々な種類があるため、どれを使用すれば良いか迷う方は多いでしょう。
ここでは、薬剤の選び方を解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
植物の症状で種類を選ぶ
薬剤を使用する際は、植物の症状で種類を選ぶ必要があります。
まず、病原体が原因で観葉植物が病気になっている場合は、殺菌剤を選びましょう。
殺菌剤は、予防殺菌剤と治療殺菌剤の2種類があります。
観葉植物の病気予防は予防殺菌剤で十分効果が期待できますが、すでに病気になった観葉植物には効果が薄いです。
病気になった観葉植物を健康にしたい場合は、病原体を退治する効果のある治療殺菌剤を選んでください。
次に、観葉植物に虫が発生している場合は殺虫剤の使用が効果的です。
最後に、観葉植物の生育が気になる、植え替え直後の観葉植物に薬剤を使用する場合は、活性剤が最適です。
活性剤には、株を健康にして葉を鮮やかにする効果があります。
また、活性剤をしようした観葉植物は病気や害虫に強くなるので、植え替え直後の観葉植物の生育をサポートしてくれます。
粉状・液状・粒状・粘液状など種類で選ぶ
粉状や粒状の薬剤は、土にまくだけで簡単に使用することができます。
ただ、粉状や粒状の薬剤は、小さいお子さんやペットがいる家庭で誤飲の危険があるので注意しましょう。
散布面積が広い場合は、水で薄めて使用する液状の薬剤が使いやすいです。
サッと吹きかけるだけのスプレータイプの薬剤であれば、水で薄める必要もなく手軽に使用することができます。
また、害虫駆除を目的とした殺虫剤には、粘液状の薬剤があります。
粘液状の薬剤は即効性は低いですが、低刺激で人体や環境への悪影響を最小限です。安全性の高い薬剤をお探しの方におすすめ。
観葉植物の薬剤には様々な種類があるので、使い勝手や使用環境に合わせて選びましょう。
殺虫剤は対象となる病害虫をチェック
観葉植物の薬剤は、広範囲の病害虫に効くものから特定の病害虫に効くものまで様々な種類があります。
対象となる病害虫をチェックして、観葉植物の症状に合った薬剤を選びましょう。
広範囲の病害虫に効く薬剤を一つ持っておけば、手軽に観葉植物をケアできて安心です。
観葉植物に使用する代表的な薬剤
ここでは、観葉植物に使用する代表的な薬剤をご紹介します。
活性剤・発根促進剤
・ルートン
観葉植物の発根をサポートする薬剤です。生育が悪い、植え替え直後の観葉植物に最適。
・メネデール
発根を促進し、観葉植物の生育をサポートする薬剤です。観葉植物の株自体を健康にして、葉の症状にも効果が期待できます。
・オキシベロン
発根を促進する薬剤です。水で薄めて使用する液体タイプの薬剤なので、観葉植物を複数育てている方におすすめ。
・アルムグリーン
12種類の漢方成分が発根を促進します。自然由来の成分なので、薬剤による人体や環境への影響が気になる方におすすめ。
殺菌剤
・ダコニール
広範囲の病害に効果的な薬剤です。微粒子の有効成分が観葉植物に均一に作用するので、初めて殺菌剤の使用を考えている方におすすめ。
・ベンレート
広範囲の病害に効果的で、予防と治療の両方を兼ね備えていることが特徴的です。
・トップジンM
即効性のある薬剤で、少ない量で高い殺菌効果に期待大。また、病害虫予防にも効果的で、定期的な使用で観葉植物を病害虫から守ります。
・オーソサイド
広範囲の病害に効果的な薬剤です。有効成分のキャプタンが薬害のリスクを軽減するため、薬剤使用のデメリットが気になる方におすすめです。
殺虫剤
・オルトラン
広範囲の害虫に効果的な薬剤です。根や葉から吸収した有効成分により、観葉植物全体で害虫を予防します。
・ベニカXファイン
即効性と持続性を兼ね備えた薬剤です。スプレータイプで手軽に使用しやすく、広範囲の害虫に効果的なので一つ持っていると便利。
・アースガーデンT
アオムシ・ヨトウムシ・コナガなど、葉を食べる虫に効果的な薬剤です。スプレータイプで手軽に使いやすく、葉の症状が気になる方におすすめ。
・ハイポネックス
広範囲の害虫に効果的な薬剤で、即効性の高さが特徴的です。液体・粒状・置き型など様々なタイプがあるので、使用環境に合わせて薬剤を選びたい方におすすめ。
観葉植物に薬剤を使用する手順
観葉植物に薬剤を使用する際は、屋外で使用しましょう。
使い方は薬剤の種類によって異なるので、説明書や注意事項をよく確認してください。
できるだけ風のない日に、強い日差しを避けて涼しい環境で薬剤を使用すると安全です。
万が一、薬剤が皮膚や目などに入ると悪影響を及ぼす危険があります。特に、ペットや小さい子どものいるご家庭では、後片付けで薬剤が残らないように注意しましょう。
散布した薬剤が乾いたら、屋内に戻して薬剤を使用する手順は完了です。
観葉植物に薬剤を使用する際の注意点
薬剤は、観葉植物の健康や生育をサポートし、気になる症状を改善してくれます。
ただ、使用方法によっては、人体への危険や観葉植物が枯れる危険も…
ここでは、薬剤を正しく安全に使用するための注意点を見ていきましょう。
必ず説明書を読み安全対策をする
観葉植物に薬剤を使用する際は、必ず説明書を読み安全対策を徹底しましょう。
特に、皮膚や目に薬剤が触れると刺激があるので、できるだけ触れないようにすることが大切です。
万が一、薬剤が皮膚や目に触れた場合は、流水でしっかり洗い流して、医療機関の受診で手当を受けてください。
観葉植物の種類によっては育成に悪影響を与える場合がある
観葉植物の種類によっては生育に悪影響を与える場合があります。
特に、シダ植物は殺虫剤や殺菌剤に弱いです。シダ植物の害虫や病気が気になる場合は、殺虫剤や殺菌剤の使用を避けて、霧吹きで茎や葉に水をかけて湿らせるだけでも十分対策できます。
また、多肉は薬害が出やすいので注意しましょう。
多肉に薬剤を使用する際は、日差しが当たりすぎない涼しい場所に置くと薬害対策に効果的です。
使用環境に合わせる
屋内で薬剤を使用すると、ペットや小さい子どもが薬剤を誤飲する危険性があります。
また、ガスを発生させて害虫を駆除する殺虫剤は、屋内で気化して人体に悪影響を及ぼす場合も。
薬剤を使用する際には、密閉されていない屋外で使用しましょう。
薬剤の効果が薄れてから屋内に観葉植物を戻すなど、使用環境に合わせて正しく薬剤を使用してください。
薬剤使用に代わる対策
屋外に観葉植物を置くスペースがない方、ペットや小さな子どもと一緒に生活している方は、観葉植物への薬剤使用を避けたい方も多いでしょう。
ここでは、薬剤使用に変わる対策をいくつかご紹介していきます。
薬剤をすぐに用意できない場合に、自宅にあるものですぐにできる対策までみていくので、ぜひ参考にしてみてください。
症状が起こる前に予防策を行う
観葉植物に症状が起こる前に予防策を行えば、薬剤使用を避けることができます。
害虫は水気を好むので、受け皿の水を溜めない、水の与えすぎに注意する、風通しの良い場所に置くだけで害虫予防に効果的です。
落ちた枯葉を放置すると、土の中に湿気が溜まって害虫が発生することもあるので、落ちた枯葉は放置しないようにしましょう。
また、匂いの強い有機用土や有機肥料を使用している場合、害虫が発生することがあります。
虫の餌になる成分を含まない、無機用土や化学肥料を使って観葉植物を育てるのがおすすめです。
自然由来の素材を使う
自宅にある自然由来の素材を使って、薬剤に変わる殺虫剤・殺菌剤を手作りすることが可能です。
まず、穀物酢に唐辛子とニンニクを加えることで、殺菌効果のあるスプレーを作ることができます。
また、アブラムシ対策として葉に牛乳を吹きかける方法も効果に期待大です。
薬剤の使用によるデメリットを避けたい方は、こういった方法で観葉植物の害虫や症状を対策しましょう。
まとめ
ここまで、観葉植物に使用する薬剤を症状別にまとめ、おすすめの薬剤や薬剤を使用する手順まで詳しく解説しました。
観葉植物の症状や使用する環境に合った薬剤であれば、安全に効果の発揮が期待できます。
ただ、薬剤の使用にはデメリットもあるので、使い方や使用量に注意しましょう。
この記事が、観葉植物との生活を手助けできるきっかけになれば幸いです。