SEED STOCK MAGAZINE

観葉植物の剪定方法を解説

観葉植物を丈夫に、またきれいな状態で育てるためには定期的な剪定は欠かせません。

剪定には適切な時期やタイミングがあり、剪定のコツもあります。

正しい方法で剪定を行うことでより元気な観葉植物になり、理想的な形を作ることができます。

今回は、観葉植物の剪定方法について詳しく説明します。

観葉植物の剪定が必要な理由

  • 樹形を整える
  • 病害虫の予防
  • 不要な枝を切り、若い芽の成長を促す

剪定が必要な理由として、まず成長によって形が崩れた状態を整えることが挙げられます。

成長が進むことで伸びすぎてしまった部分や、成長が遅い部分など一つの観葉植物の中でもムラが出てしまいます。

観葉植物はインテリアや観賞を目的として家に置いている人も多いので、まずは見た目を整えてあげることが大切です。

さらに成長が進んで葉や枝の密度が高くなると、その分風通しや日当たりが悪くなり、病気や害虫が発生しやすい環境になってしまいます。

また、密集したままだとそれらの病害虫の発生に気づきにくくなるのも問題です。剪定をして均一に風通しや日当たりが良くなるように剪定が必要になります。

そして適切な剪定は、若い芽の成長を促すことにも繋がります。成長しきった枝葉や、弱ってしまっている部分を取り除くことで新芽が生えやすくなり、より元気な観葉植物に育てることが可能です。

観葉植物を剪定しない場合のデメリット

観葉植物を剪定しない場合には、樹形が乱れて観葉植物の見た目が悪くなってしまったり、生育の速度が遅くなってしまったりすることが考えられます。

さらに観葉植物を剪定せず、枝や葉が密集してしまうと病気や害虫が発生しやすいだけでなく、発見にも遅れてしまい、結果として観葉植物を枯らしてしまうことにもつながってしまいます。

定期的な剪定は手間にもなりますが、剪定をしないデメリットが多く、こまめな剪定は欠かせないといえます。

観葉植物を剪定する方法

観葉植物を剪定する時期やタイミング、詳細のやり方についてお伝えします。

剪定の最適なタイミング・時期と頻度

観葉植物の剪定を行う適切なタイミングは、植物の生育期にあたる4〜7月ごろです。

剪定を行うことで形を整えたり、病害虫を防ぐなどさまざまなメリットがありますが、剪定を行うことで植物にダメージを与えることもあります。

そのため少しでもダメージを少なくし、成長を促すことができるように生育期を選ぶのがベストです。

8〜9月ごろも観葉植物の生育期にあたりますが、夏の酷暑は観葉植物にとっても過酷な環境となり、9月に入ると少しずつ成長が穏やかになる観葉植物も多いです。

そのため、剪定は7月ごろまでの暑くなりすぎない気候の間に行うのがおすすめです。

また観葉植物の剪定は2〜3年に1度を目安にしてください。

ただし種類によっては毎年必要になる場合もありますので、様子を見ながら剪定を行いましょう。

剪定に必要な道具

剪定に必要な道具は以下です。

  • 剪定バサミ
  • 大きい幹を持つ観葉植物の場合はノコギリ
  • 新聞紙
  • ゴミ袋
  • 手袋
  • 癒合剤

使用する剪定バサミやノコギリは事前に熱湯をかける、アルコールで拭くなど消毒をしておくと安心です。

また作業中に出る樹液は肌に直接触れるとかぶれる原因にもなりますので、手袋やグローブなど手を保護できるものがあると良いでしょう。

新聞紙やゴミ袋は剪定中に観葉植物の下に敷いたり、最後に枝葉をまとめて処分したりするのに使います。

さらに癒合剤(ゆごうざい)は剪定した切り口を保護するための薬剤です。病気の侵入を防ぎ、剪定した部分の治癒を促進します。

とくに太い枝や幹を持つ観葉植物の剪定には不可欠です。園芸店やホームセンターで手に入りますので事前に購入しましょう。

剪定のやり方

剪定のやり方は以下のような手順で行います。

  1. 理想の枝の長さや幅、樹形を決める
  2. ラインに沿って剪定を行う
  3. 不要な枝や枯れている部分も切り落とす
  4. 枝の数を適度に間引く
  5. 最後に輪郭を整える

まずは理想の形や枝の長さをイメージしてから剪定を行います。

いきなり切ってしまうと、切りすぎたり、間引きをしすぎたりする可能性が高くなります。

縦長にしたい、丸みのある形にしたいなど自分の作りたい形を思い描いてください。

イメージした形の外側に出ている枝や葉を剪定します。幹や枝の小さく膨らんだ成長点より少し上を剪定することで新しい芽が生えやすくなります。

このとき元気のない枝葉や変色して枯れそうになっている葉も一緒に剪定します。余分な栄養を行き渡らせることなく、元気な観葉植物を育てるうえで欠かせません。

遠目から見て形が整えられているか確認しながら進め、最後に輪郭の微調整をしたら剪定は完了です。

観葉植物を剪定する際の注意点

観葉植物の剪定は自宅で行え、自分の理想の形に整えることができますが、剪定位置や剪定後のケアは欠かせません。ここでは剪定を行うときの注意点について説明します。

成長点の位置に注意する

観葉植物の幹や枝には成長点と言われる少し膨らんだ部分があります。

細胞分裂が行われている部分で、ここから新しい芽が生えてきます。そのため、この成長点を剪定してしまうと新芽の生育の妨げになることがあります。

剪定を行う際には、この成長点の少し上の部分をカットすることで成長点を残し、生育を止めないようにすることが大切です。

切り口を保護する

剪定後の切り口のケアは欠かせません。とくに大きな観葉植物で、幹や枝が大きい場合には癒合剤の使用は不可欠です。

切り口は観葉植物にとっても傷ですので、カバーして治癒を促進する必要があります。

切り口をそのままにしておくと、菌やウイルスの侵入によって病気にかかりやすくなってしまいます。

とくに梅雨時期などで、雨が続いていて湿気の多い場合にはより注意が必要でしょう。

癒合剤を塗ることで殺菌効果とコーティング効果を得ることができ、治りを早くするだけでなく、過剰な水分の蒸発や、過剰な湿気の吸収を防ぐことができます。

剪定後の管理

剪定直後は日陰で管理し、その後日当たりや風通しの良い場所を選んで置いて植物の成長を促しましょう。

20〜25度程度の気温が理想です。直射日光は観葉植物にダメージを与えることもあるので避けるようにします。

剪定後の成長のためには、水やりと肥料も重要です。土が乾燥し過ぎないようたっぷりと水を与えます。水に液体肥料を混ぜるのも良いでしょう。

即効性のある有機肥料を株の近くにパラパラと撒いておくか、ゆったりと長期的に成長を促進させたい場合にはゆっくりと効果が表れる固形タイプの肥料を選ぶのも方法です。

ただし水のやり過ぎと肥料のあげすぎは生育不良を起こしますので注意しましょう

剪定後に枯れてしまう原因

適切な方法で剪定を行うと植物が枯れることはほとんどありませんので、不安に感じて剪定を避ける必要はありません。

ただし剪定後の癒合剤でのケアを怠ったり、剪定後に適切な環境で観葉植物の管理ができていないと枯れてしまうことも考えられます。

たとえば生育を促そうとして水や肥料をやりすぎたり、直射日光の当たるような場所で保管していると観葉植物にとってダメージになってしまいます。

剪定後の観葉植物は通常よりも繊細な状態になっているので、保管している環境やお世話の方法が適切かどうか、こまめに確認することが大切です。

まとめ

今回は、観葉植物の剪定方法についてお伝えしました。

観葉植物を健康的な状態で成長を促し、形をきれいに整えるためにも数年に1度の剪定は欠かせません。

正しい手順で行えばより元気な観葉植物に生育してくれますが、正しく道具を使って剪定し、剪定後のケアは必要です。

今回の記事を読んで、正しい方法で剪定してより理想的な観葉植物に近づくと良いですね。

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