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中南米が原産で、その種類は1,000品種以上あるとも言われているエケベリア。
種類によって葉の形や色味、厚さなどが異なり、好みに合わせてお気に入りの種類を見つけられる魅力があります。
今回はエケベリアの特徴や実生の方法、植え替え方法や管理方法まで、初心者の人もマスターできるように詳しくご紹介します。
エケベリアの特徴
エケベリアはベンケイソウ科エケベリア属の多肉植物で、メキシコをはじめ中南米が原産です。ここではエケベリアの特徴についてお伝えします。
ロゼット状の肉厚な葉
ロゼット状に広がる肉厚の葉が特徴のひとつです。
ロゼットとは、短い茎の部分に多くの葉が密集して、全体として丸い形をつくっていることをいいます。
ただし葉の色や形は種類によって異なり、お気に入りを見つけられるのもエケベリアの魅力です。
秋には紅葉も!?
エケベリアは寒い空気に当たると、葉が紅葉する性質を持っています。
夏の姿とは違った美しい色を見せてくれるので、1年を通して葉の色の変化を楽しむことができます。
紅葉の色はもみじの紅葉のように赤色に色づくものもありますが、種類によってはグレーっぽい色味になったり、葉先だけ色が変わる種類や葉全体で色が変わるものなど様々です。
乾燥に強い
エケベリアは多肉植物で、葉に水分を貯めることができるため乾燥に強い性質があります。
見た目が可愛らしいだけでなく、生き延びるための機能として肉厚な葉を持っているということです。
水やりの回数も少なく済み、管理のしやすさも人気の理由のひとつとされています。
エケベリアの種類
●チワワエンシス:丸い葉先にワンポイントでピンキに色づいている
●モンロー:ホワイトパウダーに覆われた葉っぱを持ち、小型
●アガボイデス:細長く、先細りのシャープな葉を持つ。葉の色もさまざまな
●クリスペイトビューティ:カールしたレースのようなユニークな葉を持つ
●シムランス:葉の縁がややカールして、葉先が半透明に見える
エケベリアを種から育てる手順
エケベリアの苗を購入して育てる方法もありますが、種から実生する方法もあります。
乾燥や寒さに強い分、初心者でも育てやすさがありますが、しっかりと手順を学んで美しいエケベリアを目指しましょう。
必要なもの
●エケベリアの種
●種まき用の鉢
●鉢そこネット
●鉢底石
●肥料を含まない土
●活力剤、殺菌剤
種まきやその準備に必要になるものですので、種まきをする日までにすべて揃えましょう。
種の準備
まずは種を準備しましょう。園芸用品店に足を運んで購入することもできますが、エケベリアの種はとても小さく繊細なため、扱いが少ないのが現状です。
シードストックではさまざまな種類のエケベリアをオンラインで購入できます。種の数も希望に合わせて10個から100個まで選べます。
種をまく前に、活力剤と殺菌剤を水で希釈した液体に数時間浸けておくことで発芽率が向上することもあります。
またカビ予防にも繋がりますので、下準備として行っておきましょう。
浸け置く時は20〜25度前後の環境が理想です。ただし種がとても小さいため、扱いには十分に注意しましょう。
鉢と土の準備
種まき用の鉢は種が小さいためポットなどを用意しましょう。
土は通常の単用土か、種まき用の土のいずれかを利用します。これらを混ぜて自分で配合して使用することもできます。
一方で土に肥料が含まれていると藻やカビが発生するリスクが高まるので種から育てる場合にはおすすめできません。
種から出たばかりの根は土に潜る力があまりないため、表面の土は柔らかく、細かい土を使用するのがおすすめです。
種を蒔く
鉢に用土を詰めたら、まずは用土の微塵を取り除き、鉢全体に水分を行き渡らせるために鉢底から出る水が透明に近い色になるまで水をかけます。
こぼさないように土の上に置くようにして撒くのがポイントです。
種子がとても小さいため、埋め込む必要はありません。1つのポットに対して数十粒の種を撒きます。
種を撒いたあとは直射日光の当たらない明るい場所で保管します。
芽が出るまでの管理方法
種を撒いたあとは、多湿状態を保つ方が発芽しやすいです。
ポットのままでは乾燥を加速させてしまうので、ラップなどを使って覆うようにすると湿度が保たれます。
発芽前に鉢の上から水やりを行うと、種が小さすぎて流れでてしまう可能性があるので、鉢の下に敷いた皿に給水して、水を切らさないようにします。
早い種は4〜5日で発芽し、2週間程度で多くの種から発芽が確認されます。
その後新芽が出るまではラップで覆うなど過湿状態を保ちます。
芽が出たあとは
2ヶ月ほどかけて1〜2cmほどの株に成長します。葉の色も少しずつエケベリアの色が見られるようになります。
その後1、2ヶ月様子を見て鉢が狭く感じられるようになったら植え替えのタイミングを検討しましょう。
株が成長してきたら、水やりは控えめにします。
エケベリアはもともと乾燥に強い植物であるため、水のやり過ぎは枯れる原因になります。
エケベリアの植え替えのタイミングと植え替え方法
エケベリアも大きくなると植え替えが必要です。
ここでは植え替えのタイミングや方法についてお伝えします。
植え替えのタイミング
とくにポットで実生から行っている場合は発芽して2、3ヶ月で植え替えが必要になります。
鉢が小さく狭く感じられるようになったら植え替えのタイミングです。
季節は春か秋の暖かい日に植え替えを行うのが理想です。
苗で育てている場合も、根詰まりしていることがあるのでリスクを避けるためにも毎年植え替えることをおすすめします。
エケベリアは根の成長が早く根詰まりしやすい特性を持っています。
植え替えの方法
植え替えをする際には、まず一回り大きい鉢を用意します。
エケベリアを鉢から取り出し、根が絡み合っている場合は根をほぐします。また黒くなって古くなっている場合にはハサミで切ります。
植え替えを行ったあとは、直射日光の当たらない明るい場所で保管し、1週間から10日後に水やりを行います。
もし真夏など暑い日に植え替えを行う場合は、植物に負担がかかりますので注意が必要です。
日陰で行うなど極力負担のない方法を取りましょう。
エケベリアの管理方法
実生して苗まで育てたら、また苗を購入した人は基本的な管理方法に沿ってお世話をします。
ここでは日頃から気をつけたいエケベリアの管理方法についてお伝えします。
エケベリアの保管場所
風通しが良く、日当たりの良い場所を探して置くようにしましょう。1年を通して明るい場所で保管するのがポイントです。
屋外で育てることもできますが、高温多湿に弱い性質を持っているので、梅雨の時期や夏の間は直接雨の当たらない場所を探すのが良いでしょう。直射日光が当たる場合は遮光も必要です。
水やりのタイミング
エケベリアは春と秋に生育期になり、土の表面が乾いたことを確認したら、たっぷりと水を与えます。
鉢底から水が出てくるのを確認しましょう。
夏や冬は休眠期に入るので乾燥状態を保つようにします。
夏の酷暑で乾燥している場合には少量の水を与え、冬場は基本的に水やりを控えます。
肥料の与え方やタイミング
肥料は基本的に必要なく、元気に育ってくれます。
植え替えを行う場合には緩効性肥料を少し与え、春や秋の生育期に液体肥料を少量与えます。休眠期には肥料は必要ありません。
エケベリアの越冬方法
基本的に屋外で保管することも可能ですが、5度を下回るような寒すぎる環境や霜が降りる場合は室内に移します。
エケベリアを育てる際の注意点
害虫はアブラムシやハダニ、カイガラムシ、ナメクジなどに注意が必要です。
予防には防虫剤が有効ですが、1匹でも葉などに付着していることを確認したら繁殖している可能性が高いので殺虫剤を使用します。
カイガラムシは殺虫剤が効きにくいため歯ブラシなどで擦りおとす必要があります。
またナメクジは植物を削るようにして食べてしまいます。まずは鉢に近寄らせないようにして薬剤を鉢の下に設置します。エケベリアに付着しているのを見つけたら捕らえます。
まとめ
今回はエケベリアの特徴や実生、植え替えの方法、管理方法についてお伝えしました。
乾燥や寒さにも強く育てやすさがあり、そのうえ美しいロゼット形状を持ち、年間を通して色の変化を楽しむこともできます。
ここで解説した内容を参考に、エケベリアの実生や生育に挑戦してみてください。