SEED STOCK MAGAZINE

冬の季節に育てられる観葉植物の紹介

観葉植物の珍しい地は亜熱帯地域など暖かい冬気候の地が多いため、育てるのは難しいというイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

しかし、観葉植物の中には、夜に厳しい寒さが訪れる環境でも自生している品種もあり、冬でも観葉植物を育てることは可能です。

そこで、どんな品種が冬の育成に向いて、冬場はどのようなことに注意して育てるかなど詳しく解説していきます。

冬に育てられる観葉植物の条件は2つあります。

1つ目は、

5℃以上の温度であれば冬を越せる寒さに強い種類であることです。

基本的に観葉植物の耐寒性は10℃前後のものが多いですが、夜間に氷点下になる場所が本質的に品種は寒さに強い傾向にあります。

そのほかに、今後は暖かくても、日本に輸入され始めたことで品種改良され、耐寒性が高い品種もありました。

2つ目は、

耐陰性があることです

観葉植物の中には日当たりが悪くても自生できる品種や、長めの日光を避けた方が良い品種が存在します。

こういった耐陰性のある品種は照射時間が短い冬場でも育つ力があり、窓などの明るい場所に置いてあれば元気に育ちます。

ただし、耐寒性や耐陰性が強くても気温が​​氷点下を下回るような場所や、日当たりの悪い場所に置きっぱなしになってしまうと、寒害を受けたり徒長してしまうので注意しましょう。

観葉植物のなかでも人気があり、耐寒性と耐陰性に優れた品種をピックアップしてご紹介します。

今回ご紹介する品種はシードストック公式サイトでも種を購入できるので、どなたでも気軽に育成を始められます 。

1.ユッカ

[種子] ユッカ バッカタ Yucca baccata var. baccata [種子] ユッカ カペンシス Yucca capensis
原産地北アメリカ・中央アメリカ・メキシコ
耐寒性
耐陰性
冬に育てるポイント日当たりの良い場所に置く 乾燥気味に管理する

ユッカとは、北アメリカ大陸や中米に自生するリュウゼツラン科の植物です。「青年の木」という別名でと呼ばれることもあります。

細く尖った葉の形が特徴的で、2メートル前後の高さまで育つため、インテリアとしても人気の植物です。 乾燥に強く、耐寒性も高いため5℃以上であれば屋外でも育てることができますが、霜が降りるほど寒い地域の場合は、根元をビニールやウッドチップなどでマルチングしたり、幹にこも巻きをするよいでしょう。

特に寒さに強い「ロストラータ」は、−10℃の寒さまで耐えると言われています。

ユッカはどの品種も耐陰性に優れているため日陰でも育ちやすいですが、湿度が高い場所は苦手なので、風通しが良く日当たりのいい場所に置きましょう。

春から秋ごろには白い大きな花を咲かせ、年間を通して育成を楽しめます。

2.モンステラ

[種子] モンステラ タウエリー Monstera deliciosa ‘Tauerii’ [種子] モンステラ デリシオーサ Monstera deliciosa
原産地メキシコ・中央アメリカ
耐寒性
耐陰性
冬に育てるポイント15℃を下回る時期は室内で管理する 葉水がおすすめ

モンステラは切れ込みが入った大きな葉を持ち、初心者にも育てやすい観葉植物として人気です。

熱帯アメリカが原産地で、耐陰性が高いため、室内の明るい場所で育てられます。ただし、直射日光には弱いので、葉焼けを起こさないよう強い日差しがあたらない場所に置きましょう。

また、温暖な環境を好む品種であるため、やや耐寒性には劣ります。

冬場に育てる場合は、5℃以下にならないよう必ず室内で管理してください。5℃以下になると葉が黒く枯れたり、春の育成に影響が出る恐れがあります。

冬場は休眠期間に入るため、断水気味にして2週間に1回程度水やりを行ってください。

暖房で室温が上がったときは、葉の裏に水を吹きかけてあげると生き生きとしたツヤが出ます。

3.アガベ

[種子] アガベ エボリスピナ ヘイフォード Agave utahensis var. eborispina ‘Hayford’ [種子] アガベ オバティフォリア Agave ovatifolia
原産地メキシコ・北アメリカ南部・中央アメリカ・西インド諸島・南アメリカ北部
耐寒性
耐陰性
冬に育てるポイント水やりは断水気味に 日照不足に注意する

アガベは200種類以上と複数の品種があり、基本的な耐寒温度は5℃ほどと言われています。

メキシコやアメリカ南部など乾燥地帯に自生しているため、冬の乾燥に強い品種です。

パリー系・笹の雪(victoriae-reginae)系などは特に耐寒性が強く、ドライガーデニングにも使われています。一般的なチタノタ・ポタトラム・アテナータなどは、雪が降ったり霜が降りるほどの寒冷には強くないため、屋内で管理し日当たりの良い場所に置きましょう。

冬場の水やりは完全断水でも可能ですが、根を生かしておくために1ヶ月に1回程度がおすすめです。

アガベには休眠期がありませんが、10℃を下回ると成長が止まってしまうため、冬場でも成長させたいのであれば10℃以上を保ちましょう。

4.ドラセナ

[種子]ドラセナ ドラコ Dracaena draco subsp. draco Yucca baccata var. baccata [種子] ドラセナ カンボジアナ Dracaena cambodiana
原産地熱帯アジア・アフリカ
耐寒性
耐陰性
冬に育てるポイント水やりはかなり控えめに 冬は必ず室内で管理する

アフリカやアジア原産のリュウゼツラン科の植物であるドラセナは、品種が豊富で葉の形や色がそれぞれ異なります。

日本では「幸福の木」とも呼ばれており、コンパクトなサイズから20mを超える大きなサイズまでさまざまです。

品種にもよりますが、基本的には5℃程度の気温に耐えるため、冬でも室内で管理できます。しかし、寒さにはあまり強くないため、暖房が効いた部屋に置いてください。

耐陰性に優れた品種ですが、日光に当てた方が育ちが良く葉色もキープできます。

ただし、冬場はいきなり屋外に出すと寒暖差が枯れる原因になるため、日中の温かい時間帯は、窓際など日当たりが良い場所で日光浴させましょう。

5.フィカス

[種子] オプンティア フィカスインディカ Opuntia ficus-indica [種子] フィカス ベンガレンシス Ficus benghalensis
原産地熱帯アフリカ
耐寒性
耐陰性
冬に育てるポイント5〜10℃をキープする 葉水はこまめに行う

フィカスはアフリカが原産の植物で、種類も豊富。

枝や幹を折ると白い樹液が出ることが特徴で、「ゴムの木」とも呼ばれています。

高温多湿な気候で自生していますが、耐寒性も兼ね備えています。代表的な品種はウンベラーダですが、耐寒性に優れているのはアルテシマで、耐寒は5℃前後です。

耐陰性もあり生命力が強いですが、極度な寒さには弱いため、室内で管理して適度に日光浴をさせましょう。

長期間寒さにあたると、葉が落ちてしまいます。ただし、乾燥には弱いため暖房器具の近くに置かないことがポイントです。

葉が乾燥しないように、葉水はこまめに行ってください。

6.アロエ

[種子] アロエ フミリス Aloe humilis [種子] アロエ 千代田錦 Aloe variegata
原産地北アフリカ・アラビア半島南部
耐寒性
耐陰性
冬に育てるポイント直射日光が当たる場所に置く 冬の水やりは2〜4週間に1回

アロエは南アフリカや地中海沿岸を中心に生息する多肉植物で、種類によっては黄色や赤色の花を咲かせます。

葉肉は薬用にもなる植物として知られ、天然の保湿剤として使用できます。

なかでもアロエ・ピランシーという品種は寒さに強く、大株であれば0℃近い寒さにも耐えられます。一般的なアロエは10℃前後の耐寒性です。

雪や霜が降ったり、地表が凍結するほどの寒さでなければ屋外でも管理可能ですが、育成が停滞するため、室内管理が望ましいです。

強い日差しを好むため、日光がよく当たる場所に置きましょう。

観葉植物は主に温かい地域で自生する品種が多いため、冬場でも育てやすい品種でもいくつかの注意が必要です。

屋外や日当たりの悪い場所で管理をすると、根腐れや枯死、カビの原因となってしまうため、4つのコツを抑えて育てましょう。

水やりを控える

冬場の観葉植物は乾燥気味にした方が良い品種が多く、1〜2週間に1回程度の水やりで十分です。

冬場は休眠期間になるため、あまり頻繁に水を与えると根腐れしてしまう恐れがあります。

暖房が効いた室内で管理する場合は乾燥しすぎてしまう可能性があるため、表面の土が乾いてから3〜4日後を目安に水を与えましょう。

乾燥に弱い品種の場合は、霧吹きで葉に直接水を与える葉水がおすすめです。

暖房の使用中は風通しに気をつける

冬は気温や湿度が下がるため念入りに管理する必要はありませんが、風通しが悪いと害虫やカビの原因になってしまいます。

また、与えた水が乾かず根腐れを起こす原因になってしまうため、空気が滞っている場所で管理する場合は風通しに注意しましょう。

冬場でも窓を空けて空気の流れを作ったり、サーキュレーターを使用することがおすすめです。

寒害に注意する

寒害とは、植物が順応できないほどの異常な低温によって枯死してしまうことです。

寒さだけでなく、冬場に水やりをしすぎることが原因の根腐れや、暖房からの温風による乾燥、日光不足など、冬場特有の原因によるトラブルがございます。

耐寒性能に優れた観葉植物でも、おそらく5℃を下回らないように管理しましょう。

それ以外に、室内管理でも冷える場所を気にして、日中は日光に当たるような方法で寒害を回避できます。

防寒グッズを使う

夜間や外出時など暖房を使わない時間帯に室内の温度を保てない場合は、観葉植物用の防寒グッズを使うのも手です。

観葉植物専用の防寒グッズも販売されていますが、緩衝材やビニールシート、新聞紙など家にあるものも活用できます。

ただし、被せるタイプの防寒は特に寒くなる時間帯のみとさせていただきます。

ビニールなどを被せ続けてしまうと、湿気によりカビが生じる原因になります。

日中はカバーを外して日光浴をさせてください。

まとめ

冬場に育てることが難しい観葉植物でも、耐寒性や耐陰性に優れた品種であれば特別な対策がなくても越冬することが可能です。

しかし、極度の寒さには弱いため、どの品種も5〜10℃前後の温度は保つよう心がけてください。

また、日が短い冬場は、積極的に日光浴をさせましょう。

シードストックでは、耐寒性や耐陰性にすぐれた品種の種も多く扱われています。

観葉植物の越冬が不安な方は、今回ご紹介した品種から育成にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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