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SEED STOCK MAGAZINE

室内実生の肥料、結局なにを使う?マグァンプ・IB・メネデール・リキダス・HB-101を整理してみた

肥料結局何使う

実生を始めたばかりの頃は、肥料のことってあまり考えないんですよね。

まず発芽してほしい。
腐らないでほしい。
根が出てほしい。

最初はそれだけ。

ところが無事に発芽して、本葉が増えて、少しずつ苗らしくなってくると、

「もう少し育てたい」
「根をしっかり作りたい」
「できれば調子よく育ってほしい」

という欲が出てきます。

そこで気になり始めるのが肥料です。

でも園芸コーナーを見ると、
マグァンプ、IB化成、液肥、メネデール、リキダス、HB-101……。

全部植物の近くに置いてあるので、最初は同じようなものに見えます。

でも実際には、それぞれ役割がかなり違います。

この記事では、パキポディウムやアデニウムなどの実生を中心に、室内栽培で肥料や活力剤をどう使い分けるかを整理します。

肥料と活力剤は、そもそも何が違う?

最初にここを整理しておくと、かなり分かりやすくなります。

肥料=植物が成長するための栄養
活力剤=植物の生育を補助するもの

つまり、メネデールやリキダス、HB-101を与えているからといって、それだけで肥料を与えたことにはなりません。

人間で例えるなら、

活力剤だけで育てようとするのは、サプリメントだけ飲んで「ちゃんと食事している」と思っているようなもの。

植物を育てる基本になるのは、あくまで肥料です。

植物に必要なのはN・P・Kだけではない

肥料でよく見かけるのが、

窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)。

いわゆる肥料の三要素です。

窒素は葉や植物体の成長、リン酸はエネルギー代謝、カリウムは植物の水分調節などに関わっています。

さらに植物は、マグネシウム、カルシウム、鉄などの微量元素も利用しています。

その中でも、実生をしているとよく名前を聞くのが鉄です。

メネデールはなぜ播種前に使われる?

SeedStockで種を購入して播種するとき、種類によっては事前に水へ浸漬することがあります。

そのとき、私はメネデールを加えることがあります。

種子の浸漬

メネデールは、植物が利用しやすい状態の鉄を含んだ植物活力素です。

ただし、「メネデールに浸せば必ず発芽率が上がる」という意味ではありません。

パキポディウムやアデニウムなどについて、メネデールを使った場合に何%発芽率が上がる、と単純に言えるものではありません。

私の場合は、

発芽剤ではなく、播種初期を少しサポートするもの

くらいの位置づけで使っています。

発芽前から肥料を入れすぎない

実生では、ここがかなり重要だと思っています。

小さな種を見ると、

「これから大きくなるんだから、栄養をたくさん入れておいた方がいいのでは?」

と思いたくなります。

でも発芽したばかりの植物は、まだ根も小さく、肥料を吸収する仕組みも発展途中です。

そこへ濃い肥料を与えてしまうと、根が水を吸いにくくなったり、根を傷めたりする原因になることがあります。

発芽前から肥料で育てようとしない。

種から根が出る。
芽が出る。
光合成が始まる。
そのあとで少しずつ外から栄養を増やす。

この順番の方が、実生では管理しやすいと感じています。

実生で使いやすいマグァンプK

マグァンプ

室内実生で使いやすいと思っている肥料の一つがマグァンプKです。

マグァンプKは、窒素・リン酸・カリ・マグネシウムなどを含む緩効性肥料です。

特徴は、


一気に全部の肥料分が溶け出すタイプではないこと。

ゆっくりと肥料成分が利用されるため、室内の小さな鉢でも管理しやすい肥料です。

ただし、

「緩効性肥料だから、どれだけ入れても大丈夫」というわけではありません。

小さな実生鉢は土の量も少ないため、入れすぎには注意します。

実生で探したいのは、

最大の肥料量ではなく、成長を止めない程度の肥料量。

このくらいの感覚でいいと思っています。

マグァンプは粒の大きさでも使い分けられる

マグァンプKには、小粒・中粒・大粒があります。

小粒は比較的短期間の育苗や追肥向け。
中粒や大粒になるほど、より長期間効く設計になっています。

そのため、

播種後の小さな苗には小粒。
植え替えて長く育てる株には中粒など。

という使い分けもできます。

ただし基本は変わりません。


小さい苗ほど、肥料は控えめ。

成長してきたらIB系肥料で追肥

植物が育ってくると、最初に入れた肥料だけでは少しずつ足りなくなってきます。

そこで使いやすいのがIB系の粒状肥料です。

IB系肥料は、ゆっくり効くタイプの窒素肥料です。

特に室内栽培で便利なのが、

粒の数で管理しやすいこと。

大きな鉢には少し多め。
小さな鉢には少なめ。
生育期だけ追加する。

液肥のように毎回濃度を作る必要がないので、管理がかなり楽です。

肥料を増やす前に「植物が動いているか」を見る

パキポディウムやアデニウムなどは、生育期と休眠期が比較的はっきりしています。

そのため、

季節を無視して肥料だけ増やしても意味がありません。

肥料を追加する前に見るのは、

  • 新しい葉が出ているか
  • 根が動いているか
  • 気温は十分か
  • 光量は足りているか
  • 生育期に入っているか

植物が止まっているのに、

「元気がないから肥料を増やそう!」

とすると、植物が利用できなかった肥料だけが鉢の中に残ってしまいます。

メネデール・リキダス・HB-101はどう使い分ける?

メネデールは「スタート時」

メネデール

メネデールは、播種前の浸漬や植え替え、発根させたいときなどに使いやすい活力素です。

私の場合は、

播種・植え替え・発根など、植物がこれから動き始めるタイミング

で使うことが多いです。

ずっと肥料代わりに使うものではありません。

リキダスは成長中の補助役

リキダス

リキダスには、コリン、フルボ酸、アミノ酸、カルシウムや微量元素などが含まれています。

ただし、これも肥料ではありません。

マグァンプなどで基本的な栄養を入れ、リキダスはその補助。

私はこのくらいに考えています。

HB-101は「必須」ではなく試してみるもの

HB-101はスギ、ヒノキ、マツ、オオバコなどの抽出物を利用した植物活力液です。

ただ、私は、

HB-101を使わなければ植物が育たない

とは考えていません。

植物栽培の基本は、

水・光・温度・風・用土・肥料。

そこを整えた上で試してみるもの、という位置づけです。

同じ種類の実生苗が複数あるなら、

半分にHB-101を使う。
半分は使わない。
数か月後に比べてみる。

こんな実験をしてみるのも、実生の面白さだと思います。

ビカクシダの胞子培養ではどうする?

少し特殊なのがビカクシダです。

胞子から育てる場合、

胞子 → 前葉体 → 幼胞子体

と成長していきます。

この小さな段階では、大量の肥料は必要ありません。

葉がある程度展開して、根もしっかりしてきてから少しずつ肥料を使っていきます。

水苔にマグァンプを使うなら少量から

板付けしたビカクシダでは、水苔の中にかなり根が張ります。

そこで長期的な栄養としてマグァンプを利用する方法があります。

ただし、水苔全体へ大量に混ぜ込むより、

水苔の外側や根域周辺へ少量入れる。
または表面へ少量置肥する。

くらいの使い方の方が調整しやすいです。

肥料が切れたら追加できる。
多すぎたと思えば取り除ける。

最初から全部混ぜてしまうより、管理しやすくなります。

実生の肥料管理は3段階で考えると分かりやすい

SeedStockで種を買うと、最初はどうしても発芽率が気になります。

でも実際には、

発芽した後の方が圧倒的に長い。

パキポディウムもアデニウムも、何年も育てていく植物です。

だから私は、肥料管理を大きく3段階で考えています。

① 播種前〜発芽直後

まず発芽させることを優先。

肥料は攻めず、必要に応じてメネデールなどを補助的に使います。

② 本葉が動き始めた頃

少量の栄養を入れ始めます。

マグァンプ小粒などの緩効性肥料や、薄めた液肥などを少しずつ使います。

③ 株が安定してから

ここからは普通の植物として育てます。

元肥にマグァンプ。
生育期の追肥にIB系。
必要に応じてリキダスなどの活力剤。

最初から全部入れる必要はありません。

肥料をあげるより「肥料を使える植物」にする

肥料の記事なのですが、結局ここが一番大切だと思っています。

肥料を増やすだけでは植物は育ちません。

光が足りなければ光合成できない。
根が冷えていれば吸収しにくい。
水がなければ肥料成分は移動できない。
逆に水が多すぎれば根が傷む。

肥料は植物を育てるための材料ですが、


その材料を使える環境を作ることの方が先です。

実生苗の成長が遅いときも、すぐに、

「肥料が足りない!」

とは考えません。

温度はどうか。
光はどうか。
根は元気か。
水やりは合っているか。
今は生育期なのか。

まずそこを見る。

問題がなく、植物もしっかり動いているなら肥料を追加する。

この順番です。

室内実生では、管理しやすさも大切

私は室内栽培では、油かすなどの有機肥料をあまり使いません。

有機肥料が悪いわけではありません。

ただ室内の小さな鉢では、

におい、虫、カビ、投入量の分かりにくさなど、管理する要素をなるべく増やしたくないからです。

そのため、現在は、

元肥:マグァンプ
追肥:IB系肥料
必要に応じて液肥
播種・植え替え:メネデール
成長中の補助:リキダス
HB-101:比較しながら試す

という使い方が、自分の栽培ではかなり分かりやすくなっています。

まとめ|肥料は「少し使って、見る」でいい

もちろん、この組み合わせだけが正解ではありません。

同じパキポディウムでも種類や苗の大きさ、育成環境によって必要な肥料量は変わります。

だからこそ実生では、


少し使う。
見る。
必要なら増やす。
また見る。

このくらいでいいと思っています。

実生って、種を発芽させるところからずっと実験なんですよね。

肥料も同じです。

たくさん肥料を入れた人が勝ちではなく、その植物が使える分だけ与える。

活力剤には、その横で少し手伝ってもらう。

そんな距離感が、長く植物と付き合っていくにはちょうどいいのではないでしょうか。

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